
東京都大田区のマンション敷地内で、小学生のバッグからニンテンドースイッチのソフト7本(約2万1000円相当)を盗んだとして、橋本涼一容疑者(27)が逮捕されました。
容疑者は子どもたちが遊んでいる隙を狙って窃盗し、ゲームソフトを買い取り店で売却。1万3000円ほどを得ていたとされています。
橋本容疑者は「50〜60件ほどやった」と供述しており、警視庁は余罪を調べています。
https://news.yahoo.co.jp/articles/98a1052e21bf7eead1f4661fa690d7dea2c0cd54
今回のニュースを読んで、本当に腹が立ちました。
ゲーム屋として、こうしたニュースを見るたびに、「またか……」というため息とともに、
二重の意味で嫌な気分にさせられます。
二重の意味で嫌な気分にさせられます。
ゲーム屋として「二重に嫌な気分になる」理由
① 商売上の直接的な被害
まず一つは、直接的な商売上の損害です。
万引きや詐欺、盗品の売却といった行為は、私たち小売現場にとっては死活問題です。
一本の商品を売るために、どれだけ仕入れや在庫管理に神経を使っているか。
それを一瞬の悪意で持っていかれる・・・本当にやりきれない。
② 被害に遭う子どもたちの心の傷
そして二、想像に難くありません。
・実際にあった話:ゲームを勝手に売る奴
私がゲーム業界に入る前、すでに似たような話はよくありました。
「友達のゲームを勝手に売りに来た子がいた」――そんな話です。
ファミコンショップが全国に広がり始めた時代。
行きつけの店長さんも、こういった事例にはしょっちゅう頭を悩ませていました。
ある子が、自分のものではないゲームを持ち込んで買取してもらい、お金を持ち帰る。
後になって「うちの子のゲームが勝手に売られた」と親からクレームが入り、トラブルになる。
そういったことが、実際に何度もあったと聞きます。
その後、「18歳未満は買取不可」「身分証の提示義務」などのルールが整備されていきました。
私がこの業界に入った時点では、すでに買取には明確なルールがありましたが、それでも事件性のある買取トラブルはゼロではありませんでした。
ゲームの買取は信頼が命。
でも、その信頼が時に悪用されてしまうこともある――それが現場のリアルです。
ゲーム業界とユーザーの両方にお願いしたいこと
私たち販売側も、防犯意識を高め、怪しい動きやトラブルの兆候を見逃さないよう努めていきます。
しかし、業界だけでは限界があります。
特に今はスマホアプリで簡単に売買できてしまう。
特に今はスマホアプリで簡単に売買できてしまう。
買取に関してはどんなに気を付けても売られる方がどのようにして手に入れたかまでは
(自分のお店で購入されたものでなければ)判りません
(自分のお店で購入されたものでなければ)判りません
「売る側」だけでは防ぎきれない現実
実際、私たち小売店側は可能な限りチェックしています。
身分証の提示、怪しい動きの確認、履歴の管理……やれることはやっている。
でも、それでも「どこで手に入れたか」までは正直、見抜けないこともあるのです。
極端な話、買い取り時に「友達にもらいました」「親から許可もらってます」と言われれば、それ以上の詮索は難しい。
それが10代や20代の人間であっても、見た目や振る舞いで判断するのには限界がある。
だからこそ、
「盗まれたものを売る」=犯罪である
「盗ませない・売らせない環境を作る」=社会全体の課題
という認識を、もっと広く持ってほしい。
親御さんや学校にも知ってほしいこと
今回のように、子どもがゲームを持ち歩くこと自体もリスクになり得ます。
公園や友達の家で遊ぶとき、バッグに複数のゲームソフトを入れておくのは、実はとても危険。
子ども自身に
「大事なものは目を離さない」「人前でゲームソフトを出し入れしない」
といった注意喚起をするのも大切です。
「大事なものは目を離さない」「人前でゲームソフトを出し入れしない」
といった注意喚起をするのも大切です。
また、親御さんや学校でも、「ゲームソフトは財布と同じくらい大切なもの」という認識を共有していただきたいと願っています。
そして来週はいよいよ、
話題の新ハード「SWITCH2」が発売されます。
当然ながら、発売日には多くの子どもたちがワクワクしながらゲーム屋に足を運ぶでしょう。
でも、こういった事件があった直後だからこそ、保護者の方々にはお願いしたいのです。
どうか、子どもさんだけでの来店は避けてください。
発売直後の混雑の中、目を離した隙にバッグやゲームを狙われる可能性もあります。
販売側も、防犯を強化しつつ対応していきますが、
「安全に買いに来る」「安心して遊ぶ」ことを守るのは、みんなの意識の積み重ねでもあります。
子どもたちにとって、ゲームは宝物です。
その宝物が、誰かの悪意で奪われるようなことがないように、
SWITCH2の発売を「楽しい思い出」にできるよう、皆さんのご協力をお願いします。
最後に
ゲームは「楽しい」ものであってほしい。
それがどんな世代の人にとっても、思い出や喜びになってくれる――そんな存在であってほしいのです。
でも、その裏でこうした許しがたい事件が起きているということも、もっと多くの人に知ってほしい。
真面目にゲームを楽しむ人たちが損をしない世の中にするために、これからも声を上げ続けたいと思います。