任天堂の代表取締役社長・古川俊太郎氏は、2024年6月に開催された第85期定時株主総会で、Nintendo Switch 2にて「キーカード」を導入した理由について説明しました。
その中で、Switch2ではゲームソフトのデータ容量が従来よりも大きくなるため、それに対応する新方式としてキーカード方式が採用されたと述べています。
「中身がないパッケージ」に疑問の声も
同株主総会では、ユーザーからの声として、「データが入っていないパッケージソフトには魅力を感じない」という意見も紹介されました。
キーカード形式では、パッケージには小さなカードのみが入っており、ゲーム本編はインターネット経由でダウンロードする必要があります。
「ソフトが売れにくくなるのでは?」「サードパーティーが離れていくのでは?」といった懸念も出ており、それに対し古川社長は、「ソフトメーカーと協議しながら任天堂プラットフォームを積極的にサポートしてもらえるよう努めていきたい」と述べました。
任天堂がアンケートを実施、方針変更の可能性も
キーカードに関するユーザーアンケートも行われたことで、任天堂も一定の不満があることを認識し、調査に乗り出していることがうかがえます。
Switch2はこれから数年間続くハードであり、ユーザーの反応によってはパッケージ仕様に変化が起こる可能性もあります。
発売1か月、売れ行きが方向性を左右する?
Switch2発売から約1か月。これまでのキーカード採用タイトルの売れ行き次第では、任天堂やメーカー側が方針を変える可能性もあります。
販売不振が続けば、「キーカード方式は失敗だった」と判断される可能性も否定できません。
『ドラクエI&II』はキーカード採用、『ライザ』はDL専売
注目されているのは、『ドラゴンクエストI&II(HD-2Dリメイク)』がキーカード形式での販売を予定している点です。
一方で、『ライザのアトリエ トリロジーセット』は、あえてパッケージを出さずにダウンロード専売での販売に踏み切りました。この決断は、キーカードの売れ行きを見た上で「パッケージを出しても売れない」と判断された可能性もあるでしょう。
DL専売は珍しくない、でもSwitch2のサードは?
ダウンロード専売自体はもはや業界では当たり前の形式です。たとえば:
- インディーズタイトルの多くはDL専用
- Switch版『マインクラフト』も最初はDL専売
- PS版『モンスターハンターライズ』もDL専用
ただし、問題はSwitch2の「サードの中~大型タイトル」がどう動くかです。
このままキーカード形式の売れ行きが鈍ければ、メーカーがDL専売へ切り替える流れは加速するかもしれません。
今後、2025年11月以降にはキーカード方式そのものがフェードアウトしていく可能性もあります。
まとめ
Nintendo Switch 2のキーカード方式は、データ容量やコスト対策として導入された新しい試みですが、ユーザーの間では「中身のないパッケージ」に対する不満も少なくありません。
任天堂はすでにアンケートで実態を把握しようと動き出しており、今後の仕様変更の可能性も十分あります。
『ドラクエI&II』はキーカード採用、『ライザ』はDL専売と、各社の対応は分かれてきており、今後のトレンドに影響を与える分岐点に立っている状態です。
Switch2世代でパッケージとDLのバランスはどう変わっていくのか? 今後の任天堂とソフトメーカーの判断に注目です。