【Shadow Labyrinth(シャドウラビリンス)】万人に勧めにくいが、尖った魅力が光る骨太メトロイドヴァニア【レビュー】

レビュー

あすか

こんにちは、あすかです!

今回は先日クリアした『Shadow Labyrinth(シャドウラビリンス)』のクリア後レビュー及び感想です。

まず率直な感想を一言で表すと・・・非常に勿体無い作品だなという印象ですね。最後まで遊べばちゃんと面白いと感じられるのですが、そこに辿り着くまでの特に中盤が結構キツかったです。

購入前の時点で、私はこのゲームをカジュアル寄りのメトロイドヴァニアだと思っていました。しかし蓋を開けてみると、広大で複雑なマップ探索終盤の高難易度な戦闘異常に難しいミニゲームなど、かなり硬派でハードコアなゲームでした。

特にマップの作り込みや、豊富なフレーバーテキストなどから、開発陣のこのゲームに対する強い情熱は伝わってきました。ただ、肝心のゲームプレイに関しては、快適さとは程遠い仕上がりだったと言わざるを得ません。

もし誰かに素直に勧められるかと問われたら正直難しいです。(Stema評価は7/24現在賛否両論

しかし、不満の少ない無難に仕上がったゲームよりも、多くの不満があったとしても、本作のように尖った魅力があるゲームのほうが個人的には好きなので、最終的には遊んで良かったと思っています。

あすか

あすか満足度は、序盤(80点)中盤(55点)終盤(90点)ぐらいの感覚で、総合的な満足度としては75点といったところ。

あすかの総合評価
満足度:75
ストーリー・キャラ
世界観・デザイン
システム・UI
サウンド・BGM
グラフィック
ボリューム・やりこみ
プレイハードSwitch2
クリア時間25時間

本記事ではゲーム内のスクショを含みます。(ネタバレはありません。)

作品概要

メーカーバンダイナムコエンターテインメント
発売日2025/07/17
ジャンル2Dアクション、メトロイドヴァニア
対応機種Nintendo Switch / PlayStation / Xbox / Steam

バンダイナムコから発売されたのパックマンの遺伝子を宿した探索型2Dアクションゲームです。ジャンルとしては典型的な2Dメトロイドヴァニアであり、スクリーンショットなどから想像できる通りのプレイ体験となっています。

この手のゲームに慣れている人にとってはいつものやつ

導入ストーリーは次の通りです。

過去の戦争の遺物が残る荒廃した惑星に、
謎の黄色い球体 -PUCK- によって8番目の適合者として召喚された主人公。
過酷な世界で生き延びるため、敵を喰らい、己の運命を切り拓け。

本作ではPUCKと呼ばれるパックマンに似た存在が相棒として登場し、主人公とともに冒険します。主人公は異世界から突然召喚された設定のため、物語の冒頭では何もわからない状態からPUCKの導きに従って進みます。

ストーリーはゲーム中に散りばめられたフレーバーテキストを断片的に拾うことで、徐々に物語の全体像が明らかになる仕組みになっています。

本作特有の要素として、倒した敵を捕食するシステムがあります。捕食(R3押し込み)によって素材が手に入り、それを使ってPERKという(追加能力効果)を購入できます。

また、マップの所々に配置された石碑からミニゲームでパックマンを遊べるのも特徴です。ミニゲーム自体は必須ではありませんが、最高得点を出すことでスキルを強化するアイテムが手に入ります。

ただし、最高得点を取る難易度はかなり高めに設定されており、私は特別パックマン好きではないので、ほぼスルーしていましたが、それでもクリアには特に支障はありませんでした。

物語はシリーズファン向けの要素が強い

本作のストーリーですが、大量の固有名詞が怒涛のようにプレイヤーに降りかかります。しかもそれらの用語はプレイヤーが既に知っていることを前提として話が進むので、序盤は正直意味不明でした。

「ファルシのルシがコクーンでパージ」レベルで知らない単語が飛び出してくるので、流石におかしいと思い少し調べてみたら、そこにはちゃんと理由がありました。

というのも、本作『シャドウラビリンス』はバンダイナムコの「UGSFシリーズ」というものに属しています。

UGSFとは「United Galaxy Space Force(銀河連邦宇宙軍)」の略称で、バンダイナムコゲームスが展開する一連のゲーム作品群で共有される軍隊および世界観のことらしいです。私はこれまで全く知らなかったのですが、なんと初出は1984年で、40年以上も続く歴史あるシリーズみたいです。

UGSFシリーズの作品群は基本的に共通の世界観を持っており、シェアワールド的な手法(マーベル・コミックのような)が使われています。

あすか

シェアワールドとは、複数の作家やクリエイターが、共通の世界観や設定に基づいて作品を制作する創作形態のこと

そのため、下記の画像で言っているような、「エンペラーギャラガ」や「USIMコマンダー」などの固有名詞は、この世界観の中では共通認識の存在であり、こうした知識があるかないかで、ストーリーの理解度や没入感は大きく変わってくると思います。

いわゆるファンサービス的なちょこっと単語が出てくるレベルではなく、物語全体がこのシリーズの世界観に深く根差していたので、シリーズの知識がまったくない私にとっては、全ての単語が初見で理解が追いつかず、物語に完全に入り込むことは難しかったです。

もちろん全く知識がなくても、最低限のストーリーは追えますが、UGSFシリーズの背景を知っていた方が明らかに楽しめる内容のストーリーだったと思います。

一体何を言っているんだ・・・。

ただ、本作のフレーバーテキストは量が多く物語性も豊富なので、メインとなるTipsを全て読み終えた頃にはしっかりとした読後感があり、最終的には面白いと感じられましたし、UGSFシリーズ好きな人には堪らないんだろうなぁというのも感じられます。

あすか

逆に言うとTipsが揃うまではちんぷんかんぷんでしたね。

ストレス要素の多い序中盤のマップ探索

本作のマップは非常に広大で複雑に作り込まれており、複数のエリアが地続きで繋がっています。以下のような大きなエリアが約10個ほど存在し、マップ内の赤い扉マークに入ることで同マップの裏側でも繋がっているため、実際の広さは見た目以上にあります。

このマップの作り込みは素直にすごいと思いました。ショートカットも必要なタイミングでちょうどよく配置されているため、探索を進めるほど利便性が増す作りはよくできていました。

移動スキルを活用しないと進めない場所も多く、得られるアイテムも無駄なものばかりではありません。フレーバーテキストであるTipsHPゲージの増加アイテム回復上限増加アイテムなどが手に入るため、探索することのメリットは大きく、この点は非常に満足できました。

小さなメダル要素の収集アイテムも

しかしその一方で、探索に伴うストレスも多くありました。

そのストレス要素の一つ目として挙げられるのが、移動スキルの取得時期が遅い点です。

具体的に言うと空中ダッシュ二段ジャンプです。この二つは昨今のメトロイドヴァニアでは必須ともいえる移動スキルであり、最初から使用できるゲームもあるほどです。しかし本作では空中ダッシュは中盤初め、二段ジャンプに至っては終盤近くになってようやく解禁されます。

個人的にメトロイドヴァニアの探索が楽しく思える条件として、移動が快適という点は必須なので、それらが解禁されるまでの探索は、楽しさよりもストレスのほうが優っていました。

逆に二段ジャンプを取得してからは探索がかなり楽しくなり、終盤の訪れていないところを埋める作業は面白かったです。

この二つの要素はもっと序盤から解禁するべきだったと思います。

二つ目のストレス要素は、ファストトラベルポイントおよびチェックポイントの少なさです。

チェックポイントはファストトラベルには使えず、死亡時の復活地点として機能するのみですが、これらの数がマップの広さに全く見合っていません。現在の数の3倍はあっても良いと思うレベルです。

さらに数が少ないにも関わらず設置場所もイマイチで、ボス部屋の近くに存在していない場所も多いです。特に不満だったのが、終盤に出現する激強ボスの復帰ポイントが移動に40秒ぐらいかかるほど離れていたりします。

あすか

これは正直キレた。
めちゃくちゃ強いボスなのにリトライ性が悪すぎる

また、トゲや落下でダメージを受けた際の復帰ポイントもなぜか遠く設定されている場面が多く、探索中にも細かなストレスは重なります。

トゲに当たるとダメージを受けてリスポする

ちなみにファストトラベルをするために消耗アイテムが必要なことも若干のストレスです。消耗品のため切れる度にショップで購入しなければならない点もただ煩わしかっただけでした。

3つ目の要素は、ストーリー進行に必要なヒントが極端に少ない点です。

ゲーム中盤の拠点に到達後、ストーリー進行に必要なアイテムを2つ集める必要があるのですが、ここで多くのプレイヤーが迷ったと思います。その理由は、このアイテムの場所に関するヒントが全く存在せず、広大なマップを完全に手探りで探索する必要があるからです。

本作の特徴として、マップ画面が切り替わったら自動的に部屋マップが埋まるタイプではなく、自分が近づいた範囲だけ明るく表示されるタイプです。

そのため、マップ上で一見探索済みだと思っていても、近づいてみると部屋の端や上部に次のマップに繋がる道が存在していたりするんですよ。この通路を一つでも見逃すと永遠に迷宮内を彷徨うことになります。

アップにして隅々まで探す必要がある

さらに一部の移動スキルには本来の使い方意外の活用方があり、その説明はゲーム中では一切されません

あすか

これに気づいたときもまたキレそうになりました

一応ネタバレなので隠しておきます。

序盤に取得できる「空中で下方向にXボタンを押して地面を破壊する技」があり、これを跳ねる植物に使うと反動で高くジャンプすることができます。しかし、この使い方についてゲーム内で一切説明がなく、自力で気づくか攻略情報を確認するしかありません。

このようにゲームを進めるためのゲーム内ヒントがほとんどないので、自力で手探りで探し出すことが好きな人はハマると思いますが、そうでないプレイヤーにとっては非常にストレスフルです。

上記で挙げた3点から、二段ジャンプなどの移動スキルを入手してないかつ、ファストトラベルポイントが少ないマップの空白部分を探し回る、中盤の探索はかなり苦労しました。

逆に、移動スキルを全て取得し、ファストトラベルポイントも解禁された終盤は非常に探索が快適で楽しめました。

あすか

最初からあれぐらい自由に動けていれば、中盤のマイナスな印象もかなり良くなっていたのではないかと思います。

他に特に私が不満だったのが、BGMがめちゃくちゃ控えめなことですね。

私はゲームにおいて音楽をかなり重視するタイプなのですが、本作は環境音と変わらないレベルで音楽が控えめでした。ただでさえ広大なマップを探索する中で、ほぼ無音で進まないといけないのは精神的にもキツかったです。

シンプルで単調な戦闘

戦闘についてですが、正直見たまんまですね。PACKを使用したスキル攻撃も何種類かありますが、これもスキルの大半は終盤にならないと解禁されないので、実質ホロウナイトのような通常攻撃がメインの戦闘になります。

あすか

つまらなくはないけど、特別面白くもないといった感想

一応パリィ要素もありますが、タイミングがシビアな割にメリットが少ないので、大半は前ローリングで敵の背後に回って切り付けることのシンプルな繰り返しになります。

難易度に関しては、序盤中盤のボスは弱いのですが、終盤に近づくにつれて急激に難易度が上がり、ホロウナイトレベルの歯応えある戦闘になります。

一点、戦闘面の不満としてはスタミナがクールダウン制になっていることです。

回避(ローリング)やスキルを使用するとスタミナを消費するのですが、スタミナを使い切ってしまうとクールダウンタイムに入ってしまいます。そうなるとスタミナが最大まで回復するまでスタミナを消費する行動がとれなくなってしまいます。

そのため、攻撃の激しいボス戦でクールタイムに入ってしまうと攻撃を避けられなくなってしまうので、スタミナ管理を常に意識する必要がありました。

それ自体は戦闘のメリハリとしていいのですが、不満点は以下

このクールダウン制の弊害として、本作の特徴でもある捕食がし辛くなってしまっています。捕食にはスタミナを大きく消費するので、雑魚敵を倒してもスタミナが切れていると、捕食をする前に敵が消滅してしまい素材を手に入れられないのです。

そもそも捕食は戦闘では基本的に使わないため、スタミナを消費する必要性を感じませんでした。

素材はアクセサリー要素となるPERKの購入に必要となるのですが、私は上記の仕様などからあまり素材を積極的に取れなかったので、クリア時も1/4ほどしかPERKを取得していませんでした。

要求素材数も地味に多く、かつ素材を求めて何回も往復するにはマップが広すぎる&ファストポイントが少なすぎるのも原因です。最初は面白いかもと感じた素材作成要素ですが、最終的にはゲーム性とあまり噛み合っていないと感じました。

終盤の強制パックマン

それまでミニゲームとして最悪スルーすることも可能だったパックマン要素が終盤に強制的に登場します。これはクリアしないと先に進められないにも関わらず、非常に難易度が高く、初見はあまりの難しさに絶望しました。

あまりの難しさに、途中で努力を続けるよりも難易度調整のパッチが配信されるのを待ったほうがいいのでは、、、と本気で考えたほどです。また、なぜメトロイドヴァニアをプレイしているのに、強制的に難しいパックマンをやらなければならないのかという負の感情も強く湧きました。

あすか

パックマンの操作性も直感的でなく、思った通りに動かせないので結構ストレス溜まります。

結果的には一晩置いて冷静になったことで、何とかクリアすることができました(まるでフロム作品)。正直ここでクリアを諦める人もいるのではないかと思います。

なお、本作にはゲーム難易度の設定が存在しないため、戦闘やパックマン要素で行き詰まった場合も自力で乗り越えるしかありません。

まとめ

あすか

いかがだったでしょうか!

これだけ不満を書いておきながら、満足度76点って本当かいって我ながら思いますw 

ただこれらの不満は事実としてあっても、25時間ぶっ続けでクリアしてしまうぐらいには味のある魅力的なゲームでした。

収集要素も豊富で、私自身はある程度の探索とストーリークリアで満足しましたが、すべてのPERKやTipsの収集、敵図鑑のコンプリートなどを目指すと、ゆうに50時間以上は楽しめると思います。

総評としては冒頭にも述べたように、非常に勿体無い作品でしたね。もう少し遊びやすさに配慮した工夫があれば、広く万人に評価されるゲームになると感じています。

特にファストトラベルポイントの改善などはアップデート次第で可能だと思うので、今後の改善次第では大きく化けるのではないでしょうか。

この発売したばかりの攻略情報も何もない中でのマップ探索は、かなり記憶に残る体験だったので、私は発売日にプレイできて良かったです。同じような体験をしてみたい方はぜひ攻略情報に頼らず、この広大なラビリンスを自力で探索してみてください。

あすか

ではまた!あすかでした〜!

おまけ

ピンクのパックマンにしようとおもったけど、無茶苦茶なモンスターが生成されたので、無難なコマンダーあすかに。

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