ゲオHDが「セカンドリテイリング」に社名変更へ 「ユニクロのファースト…とは無関係」
https://news.yahoo.co.jp/articles/b8f158ff097291362be666e7c7ab3c291e89bc57※こちらは以前書いた記事をまとめたものです。↓
「私がゲーム屋を始めたワケ」について書いてみようと思います。
■脱サラ、そしてゲーム業界へ
今から約30年前。
私は脱サラ後、縁あってあるゲームショップチェーンに就職しました。
そこでは十数年、店長として勤め上げましたが、会社との折り合いが悪くなり、辞めることに。
「まぁ、またサラリーマンに戻るのもいいかな……ゲームの知識なんて活かせないけど」
そんな風に、のほほんと考えていたんですが――。
お客さんに「辞めることになった」と伝えると、思った以上にめちゃくちゃ残念がられたんです。
それがすごくありがたくて、でも申し訳なくもあって……何とも言えない気持ちに。
とはいえ、すでに辞表は提出済み。今さら戻るわけにもいきません。
■まさかのタイミングで……
「この先どうしようかな……またチェーン店に入る? うーん……」
そんな風に悩んでいた矢先、
お客さんからこんな話が舞い込んできました。
「近所の“わんぱ〇こぞう”が閉店するってよ!」
これを聞いて、ふと思ったんです。
「……自分で店やるのも、アリかもしれない」
こうして、私の脳内会議に「独立開業」という案件が上がりました。
早速、“わんぱ〇こぞう”のオーナーさんと話をすることに。
■開業スタイル、どうする?
お店を始めるにあたって、2つの選択肢がありました。
- チェーン店のフランチャイズに加盟
→ 商品の仕入れルートは確保されているが、FC料金や維持費が発生。 - 完全な個人経営
→ 仕入れはすべて自力。右も左も分からない未知の世界。
私は、あえて選択肢2の個人経営を選びました。
チェーンに入るメリットは「仕入れの安定」くらいで、独立採算性は結局あまり変わらなかったからです。
■仕入れルートはどうする?
問題は仕入れ。
当時はPS2全盛期。すでにメーカー直取引が主流の時代で、個人でのルート確保は至難の業。
困り果てていた私に、かつて同じチェーンで働いていた大先輩が助け舟を出してくれました。
「こういう“二次問屋”っていうルートもあるよ!」
その情報を頼りに、少しずつ準備を進めていきました。
■人との繋がりのありがたさ
そんな中、かつてお世話になったゲームメーカーの営業担当さんに、退職の報告をする機会がありました。
すると、ものすごく親身になって話を聞いてくださり――
なんと問屋さんを紹介してくれたのです!
これで、新作の入荷ルートが確保でき、
「本格的に開業へ舵を切ろう」と決心しました。
※ちなみに、辞表提出からここまで、まだ1か月も経っていません。
■最大の難関、「資金」
什器や店舗は揃った。
でも、売るための商品(在庫)がない!
ここで再び、大先輩や“わんぱ〇こぞう”のオーナーさんに相談し、
資金調達のレクチャーを受けることに。
有給消化中だったので、行動は自由。
資料を作成し、金融機関の審査に通過。
無事、融資と仕入れの目途も立ちました。
■最初の在庫は……
中古在庫は“わんぱ〇こぞう”の閉店セール後の出がらし。
仕方なく、自分のPS2ソフトコレクションを並べることに。
秘蔵のシューティングやレアソフトも(当時はそれほどプレ値になってなかったが)並べた・・・
残ったのはドラクエ系のみ(笑)
■激戦区への参戦
改めて思い返すと、ここは(当時で)人口5万人の田舎町。
- 大手チェーン
- 家電量販店
- 中古専門店
- 先月まで勤めていた店
- ゲーム取り扱いの玩具店×2
……まさに激戦区。
「これが若さか……」
■ついに開店!
什器、チラシ制作、画像許可申請まで!!
チラシに使うアイルーの画像もカプコン様から提供いただきました。
そして開店日は、PS2『アルトネリコ2』の発売日!
■意外な強み
「あれ?わんぱ〇、まだやってんじゃん」的な感覚で来店される方も多く、
開店直後から買取が好調という好スタート!
さらに、近隣の市町にゲーム屋が一軒もなかったため、
3つの市からお客さんが来店してくれました。
■だがしかし……
開店は2007年10月。
WiiとDSが人気絶頂の中、「実績配分」の壁が立ちはだかります。
年末商戦直前、仕入れができるのは……
- きょうのわんこジグソーパズル
- オプーナ
- はねるのとびら
正直、それならPS2ソフトのほうが売れるレベル。
結局実績のための仕入れはその時からやってません。人気ソフトは入らないですが他ソフトで売れ残りを出して資金繰りに困るよりは、確実に売れるものを回した方が 資金力の乏しい店には合ってますので。
■まとめ
こうして、なりゆき感満載で始まったゲームショップ。
出だしはなかなかの好スタート。
人との繋がりに助けられ、若さと勢いで突っ走った日々。
今思えば、慎重派になった今の自分じゃ、たぶん無理だったかもしれません。
「若さと勢い」こそが、最大の武器だった。
そして現在に至る、、
たださすがに17年も続けていると当時とはガラリと変わっていますね。
ゲームショップと呼ばれるものも、大手チェーンさんとうちだけになってしまいましたし、
その大手さんも今や「セカンドストリート」へと方針転換。
ライバルが減って売上が上がったか?
――と言うと、そう甘くはありません。
新作ゲーム自体が売れなくなり、今や店の売上に占めるゲームの比率はほんのわずか。
新作ゲームの比率はだいぶ下がりました。
※ちなみに6月はSWITCH2を扱っていなくても、売上・利益ともに前年比以上の結果は出ています。
もはや「新作ゲーム」に依存しなくても商売は成り立つようになっています。
まぁゲームの文化はなくなりませんが、売り方の文化はある意味……化石になりました。
「パッケージを並べて売る」なんて方法は、もはや一部の生き残りが続けてるだけの懐古的手法。
でも、それでも残ったこの場所には、“話せる誰か”と“遊びの匂い”がまだあります。
それだけで――まぁ、やる意味は、まだあるんですよ。