【ステラーコード】お手軽にハードSF感を楽しめる良作ミステリー【ネタバレ感想】

レビュー

あすか

こんちは、あすかです。

今回は先日クリアした『ステラーコード』の感想の書き散らしになります。

4時間ほどのボリュームだったので、いつものレビュー形式とは違い、ネタバレ全開の感想の書き散らしになります。

未プレイかつプレイ予定のある方は読まないことをオススメします。

ステラーコード感想(ネタバレ)

まず率直な感想として、ハードSF好きとしては満足な一本でした。

いつものレビュー形式で点数をつけるなら満足度は83点ぐらい。

正直「どこかで見たことある設定の詰め合わせかな」と思う瞬間はあったけど、変に破綻したり矛盾が膨らんだりせずに、ちゃんと最後まできれいに着地したのは好印象。無理やり畳んだ感がないのは大事ですね。

とくに4時間という短いプレイ時間の中で、無駄な会話や冗長なパートがほぼなく、常に物語が前へ前へと進んでいくのは心地よかったです

次から次に新しい謎が顔を出しては、それが勢いに乗ったままテンポよく回収されていく。いわゆる「ダラッとする中盤」がなく、最初から最後まで一気に走り抜けるような起承転結になっていて、プレイの手が止まらず一気にクリアしました。

個人的にハードSFの醍醐味の一つに「なんか頭よくなった気分を味わわせてくれる」というポイントがあります。

SFファンタジーだと「魔法だからこうなります!」で済むけど、ハードSFはそうはいきません。

「この現象があって、それをこう応用すると、結果こうなるんです」っていう理屈の積み重ねが大切で、プレイヤー側が「なるほどね」と納得した“つもり”になれる説明が必要です。

なるほどね、完全に理解した(分かってない)

ステラーコードはそのあたりの理論武装がしっかりしていて、ちゃんとハードSFの文法を踏まえていたと思います。

理論が正しいかどうかは正直どうでもよくて、「筋が通ってる風」に見せてくれることが一番重要なんだけど、そこはしっかりツボを押さえていました。

他には単純に女の子がかわいいのがよかったですね。

淡いタッチで描かれる優しげな雰囲気はすごく魅力的で癒しポイントでした。ボイスがなかったのは惜しいけれども。

小難しいSFの理屈が続く中で、合間合間にふとほっこりできる瞬間があるのはゲームならでは。

ハードSF小説だと延々と理屈を積み上げることになるから、こういう休憩ポイントを自然に入れられるのは強みですね。

序盤にあった謎解きは、正直「これ要る?」って感じでした笑

最初の写真の謎ぐらいは真面目に解こうとしたけど、途中の暗号あたりからは難しすぎてもう匙を投げて即答え見ました。普通に解けたところで特に爽快感やカタルシスがあるわけでもないので、個人的には不要だったかな。。

まず文字小さくて読めない

そして一番の不満は、ありがちな“安易なバトル展開”を挟んできたこと。これは本当に萎えた。

有名どころだと『ひぐらしのなく頃に』なんかもそうだけど、上質なSFやミステリーの流れに浸ってたのに、チームデルタ(笑)みたいな闇のスペシャリスト集団が出てきて、ただの大学生である主人公が何故か普通に銃撃戦とかで渡り合っちゃうやつ。

冷静すぎるだろ

いやいや、米国で何十年も訓練積んだ軍人相手に、銃を触ったこともない大学生が互角に戦えるわけないじゃん…とこれはかなり白けた。

こういう“素人が急に活躍する展開”ほど萎える展開はないんですよね。それまでの情緒がぶち壊される音がする。ここが本作で一番残念に感じたポイント

急に安っぽいラノベみたくなる

クリア後の開発エピソードを読むと、本作は最初ミステリーとして企画されていて、あとからSF要素を足したらしいです。つまりSFノベルの顔をしてるけど、実はSFは後付けだったってわけなので、多少は仕方ない。

ただ、個人的にSF大好き人間としては「もっと最初から最後までSF全振りで見せてほしかったな」という気持ちが強かった。実際、『プロジェクト・ヘイルメアリー』を彷彿とさせるような異星人とのファーストコンタクトはワクワクしたし、面白かった。

これは完全にPJヘイルメアリー

特に「異星人が車や船などの機械類を地球人と認識している」という設定は、人間とは根本的に認識の仕方が違う“異星人らしい”不気味さと納得感があってよかったです。

あとは米国の極秘資料を読み解くパートも、まるでSCP財団の報告書を読んでいるような、「知ってはいけないことを読んでしまっている」背徳感があり、厨二病心がくすぐられて、すごく好み。

もちろんツッコミどころも多々あります。若い女性がいきなり警察組織のトップに出世したり、米国が何十年も調査してきたのに日本の大学生があっさり宇宙人とファーストコンタクトできちゃったりとか。

「いやいや」と思う場面も多かったけど、そこはもう勢いとして受け止められるレベルです。

全体としては、4時間ちょっとで読めるノベルとしては十分満足できる内容でした!

肩肘張らずにお手軽にハードSF体験を味わえる良作だったと思います。

同開発元の「イハナシの魔女」も名前は知ってたけど未プレイ作品なので、この機会に触ってみようかなと思えるくらいには楽しめました。

今はノベルゲームが立て続いているので、今度ノベルが遊びたくなったら触ってみようと思います。

あすか

ではまた、あすかでしたー!

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