
こんにちは、あすかです!
今回は先日クリアした、知る人ぞ知るアクションRPGの傑作『ASTLIBRA(アストリブラ)』のクリア後レビューと感想になります。
まず始めに率直な感想ですが、よく個人開発でここまで作り込んだなと思う驚愕の出来でした。

というのも本作は、ゲーム会社の手によるものではなく、KEIZOさんという個人開発者が14年もの歳月をかけて完成させた大作になります。
爽快感あふれる戦闘や、やり込み甲斐のあるハクスラ的装備&スキルシステム、先の展開が気になるストーリーと、ゲームとしての完成度は非常に高く、Steamで圧倒的高評価を得ているのも納得の内容です。
正直、見た目はツクール系のような印象があり、プレイ動画を見てもいまいち面白さが伝わってこなかったので、始める前はあまり期待していませんでした。
しかし、実際にプレイしてみるとアクションRPGとして「欲しいものが全部詰まっている」と感じられるような、まさに「こういうのでいいんだよ」なゲームでした。
インディー価格なのにも関わらず、公式が謳う想定クリア時間は60時間と非常にボリュームもあり、コスパの良い作品でもあります。

私もクリアに50時間弱かかりましたが、全く中弛みせずに最後まで楽しめました!
あすかの総合評価 | |
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満足度:87点 | |
ストーリー・キャラ | |
世界観・デザイン | |
システム・UI | |
サウンド・BGM | |
グラフィック | |
ボリューム・やりこみ | |
プレイハード | SteamDeck |
クリア時間 | 50時間 |
作品概要

開発 | KEIZO |
発売日 | 2022年10月13日 |
価格 | ¥2,570 |
ジャンル | アクションRPG |
対応機種 | Nintendo Switch / Steam |
個人開発者(KEIZOさん)の手がける横スクロール型の2Dアクションゲームです。
物語は章ごとに区切られた構成となっており、各章ごとにステージが用意されています。基本的には一本道の進行で、探索やルート分岐の自由度は高くないため、(定義は人によると思いますが)個人的にはメトロイドヴァニア系ではないと思いました。

主人公は魔物に村を滅ぼされた一人の青年。魔物の襲撃の際に離れ離れになってしまった幼なじみの少女・アヌリスを探すため、喋るカラスの相棒・カロンと共に旅へと出発します。

爽快感溢れる戦闘アクション
戦闘を一言で表すなら、「強い棒切れを振り回して敵をバッサバッサとなぎ倒していく」スタイルです。

アホっぽい言い方だけど本当にそんな感じなんよ…。
序盤はできることも限られており、ぺしぺしと通常攻撃を当てるだけで、正直あまり面白みは感じません。

しかし、ゲームが進むにつれて、空中ダッシュやバックステップ、召喚魔法など、どんどんとアクションが増えていき、戦闘が一気に化けます。
ある程度育ってくると、下のように「シュババババ!!!ズバン!!ギャリンバリン!!グオオオォーー!!」といった小学生低学年のような(褒め言葉)爽快感あふれる戦闘ができるようになり、ヒットストップと振動から伝わる戦闘は見た目以上に気持ち良いです。
今度こそ本当にASTLIBRAクリア!クリア時間は50時間と大ボリューム
— あすか@ゲームブログ (@dokutsu_mamuru) June 13, 2025
クロノトリガーみたいな過去と未来を行き来する壮大なストーリーが個人的にはどハマり!
小学生男児みたいな爽快感溢れる戦闘もたまらなかったpic.twitter.com/nEHmNPmH7I

これは動画だけじゃ伝わりづらい気持ちよさ!
見た目に反して戦闘難易度はかなり高めでした。何も考えずに敵に突っ込もうものなら、一瞬で返り討ちに遭うことも珍しくありません。
特に新たなエリアに来たばかりの頃はガードや回避を駆使しながら、慎重に立ち回る必要があります。

しかし、各章で訪れる新たなエリアでは、最初は苦戦していた相手でも装備の強化や新スキルの習得を経て章終盤には無双できるようになります。この成長曲線が非常に上手く出来ており、アクションバトルとRPG要素の噛み合わせは見事でした。

最初は恐る恐る倒してた相手も成長に伴ってズバズバ無双できるようになる快感はたまらない!
通常攻撃意外に使えるスキルは各属性ごとに6つまでセットでき、種類も属性ごとに5×2=10種とかなりの数が用意されています。

唯一気になった点を挙げるとすれば、戦闘の難易度が高くガンガン死ぬ設計なのに、昔ながらの死ぬとセーブポイントまで戻される仕様になっています。
それ自体はいいのですが、例えばボスを倒した直後にセーブポイントが用意されておらず、そのまま通常エリアに戻るルートで死んでしまうと、容赦なくボス戦前に逆戻り…なんてことも多々あります。

もちろん、こまめに戻ってセーブすれば済む話ではあるのですが、素材集めやレベル上げ中にやられてしまうと、それまでの努力が水の泡になることもあり、少しストレスに感じる場面もありました。このあたりは昔ながらの“死んで覚える”タイプのバランスが好きかどうかで評価が分かれそうです。

ともあれ、戦闘の気持ちよさ・手応え・成長感のバランスは抜群で、気づけば戦っている時間がいちばん楽しい作品ですね!
奥深い育成要素と装備システム
戦闘の爽快さだけでなく、やり込みたくなる育成・装備システムがしっかりと備わっています。基本的には、敵を倒すことで素材をドロップし、それを使って武器や防具をクラフトしていくというスタイルです。

各装備には「習熟度」が設定されており、装備した状態で一定数の敵を倒すことで新たなスキルを習得できます。
一度習得したスキルは、ポイントを使用して自由に付け替えが可能なので、「現時点の最強装備だけを作ればいい」という作業にはならず、自然とあらゆる武器・防具を作って習熟させたくなるんですよね。

これとてもよかった!装備を作る=強くなるだけでなく、スキルの幅も広がるという育成の楽しみが絶妙に噛み合っています。



新しい街に到着すると、その章に対応した装備が解禁されていくのですが、なかには敵がドロップする設計図を手に入れなければ作れない装備も存在します。それらの設計図から作られる装備は、より強力な性能・習得スキルになっているので、その設計図を求めて何回も敵を倒すハクスラ的な楽しみもあります。

この素材集めや設計図掘りでザコ敵と何度も戦ううちに自然とレベルも上がり、以前苦戦した敵をズバズバとなぎ倒せるようになる――そんな成長実感のサイクルがとても上手く機能していました。
さらに終盤には「ボード」というシステムも追加され、これも敵のドロップから得られるものになっており、各装備に装着することでステータス補正やスキル性能の変化など、ビルドの深みが増すシステムになっています。

他にも、スフィアボード風の成長システム「GLOW」や、アイテムを天秤にかけて強化していく「LIBRA」など、プレイヤーの好みに応じてビルドや成長パスをカスタマイズできる仕掛けが豊富に用意されています。


先の気になるラノベのような熱いストーリー
正直、プレイ前はストーリー面にはあまり期待していませんでしたが、かなり面白かったです。

物語の始まりは幼なじみの少女・アヌリスを探すというシンプルな目的からですが、旅を進めるにつれて、次々と予想外の事件に巻き込まれていき、ストーリーはどんどん壮大になっていきます。
これは序盤から明かされる要素なので書いてしまいますが、本作は『クロノ・トリガー』のように過去や未来を行き来しながら運命を変えていくタイムトラベル系の物語です。
パッケージにも描かれている“天秤”という装置を使い、時空を超える力を得た主人公が歴史に干渉していきます。

最初は「過去に戻って滅ぼされた村を救う」といったような、比較的わかりやすい使い方をしますが、そこから次第に因果が絡み合い、バタフライエフェクトのように世界が変化していきます。
本来存在していた人が消えてしまったり、その運命を変えるためにさらに天秤を使ったりと、どんどん泥沼にハマっていくような展開もあり、先が読めずグイグイ引き込まれます。

良くも悪くも「わかりやすいラノベ風」のストーリーで、ややチープさを感じる部分もあるのに、なぜかめちゃくちゃ気になって読み進めてしまうような中毒性がありました。
見た目や序盤の雰囲気から中世ファンタジー物かと思いきや、実はSF色もかなり強く、「そういうことだったのか!」みたいなカタルシスも豊富にあるので、そういった物語が好きな人にとっては間違いなく楽しめると思います。

私自身、50時間ほどかけてクリアしましたが、不思議なことにまったく中弛みがなかったんですよね。戦闘システム自体はシンプルといえばシンプルなのに、それでも「続きが気になる!」という想いでプレイが止まらなかったのは、ストーリーの力によるものだと思います。
またBGMも名曲が多く、しかも曲数も非常に豊富です。戦闘曲からイベントシーンまで、音楽がしっかりと雰囲気を支えてくれます。
…と、言っておいてなんですが、クリア後に「サントラ欲しいな」と思って調べたら、まさかのほぼ全曲フリー音源で、椅子から転げ落ちそうになりました(笑)

いや嘘でしょ!w
とはいえ、フリーだからといってクオリティが低いわけではありません。どの曲も世界観に違和感なく溶け込んでおり、初音ミクを使用した戦闘曲なども含めて、違和感なくゲームの世界観に落とし込まれていたと思います。
まとめ

いかがだったでしょうか!
正直、ややチープな見た目から、遊ぶ前は少し腰の重かった本作ですが、気づけばしっかりハマっていました!

いかにも個人開発らしい説明不足な部分や粗さはところどころありましたが、それでも2DアクションやRPGが好きな人なら、間違いなく刺さる要素が詰まった作品だと断言できます。
唯一の注意点としては、序盤はアクションの幅が少なく爽快感も薄めなので、そこで離脱してしまう可能性があることですね。
ですが本作の本領を発揮するのはむしろそこからです。章が進むごとにどんどん面白くなっていくうなぎ登り型の構成なので、ぜひ第3章あたりまではプレイしてみてほしいです。
やり込み要素も非常に豊富で、2周目に入りたくなるほどの中毒性がありますし、遊んで本当によかったと思える一本でした。

ではまた!あすかでした〜!
おまけ
本記事で作成した画像。白いハチマキと鴉という分かりやすい記号があって助かる
